2016年7月8日金曜日

【小ネタ】 J1クラブのコストパフォーマンス、大宮、F東京、川崎F、磐田

この記事では、人件費が15億円前後のクラブ、大宮アルディージャ、FC東京、川崎フロンターレ、ジュビロ磐田について、相対的なコストパフォーマンスの年変化を見ます。

勝点と人件費の比(単位はポイント/1億円)が単なるコストパフォーマンスなら、勝点と人件費の比を年平均値で割った値(<勝>)が、他のクラブに対する相対的なコストパフォーマンスになります。

各クラブの投入する人件費は毎年変動し、全クラブの人件費の総額も変動するため、この相対的なコストパフォーマンスを比較する方が公正です。

【小ネタ】 J1クラブのコストパフォーマンス、資金豊富な名古屋と浦和」で見せたように、人件費が20億円前後の浦和と名古屋は、優勝した年でさえ、相対的なコストパフォーマンスが1程度でした。

鹿島、柏、横浜FM、G大阪は、人件費がおよそ15億円から20億円です。「 【小ネタ】 J1クラブのコストパフォーマンス、鹿島、柏、横浜FM、G大阪」で紹介したように、鹿島がJ1で優勝した際は、相対的なコストパフォーマンスが1.1~1.3、G大阪が1.1、柏が1.0程度でした。

今回、大宮、FC東京、川崎、磐田の結果を紹介しますが、川崎以外は苦しんでいます。



大宮アルディージャ

大宮アルディージャの年度別成績一覧 (Wikipedia)

人件費の単位は100万円です。
大宮と言えば、かつて受験生のお守りにもなり、「落ちない大宮」、「ラインコントロールの大宮」と呼ばれ、J1に昇格した2005年から2013年まで、常に降格圏のちょっと上の順位を維持してきました。

しかし、2013年は非常に残念でした。(2014年の鳥栖と同様に)

2006年から2014年まで、勝点は40点前後、<勝>は0.75前後です。

<勝>が1を超えた年はありません。

人件費の変動も激しいです。



前回紹介した横浜は勝点50前後、この<人>と<勝>のグラフで直線状に分布していました。大宮の勝点は40点前後で、横浜の直線の下に分布しています。


FC東京

FC東京の年度別成績一覧 (Wikipedia)

人件費の単位は100万円です。`#N/A’は、J2カテゴリーのためにデータが無い事を意味します。
FC東京の勝点は、およそ50前後です。

2006年から2014年までの最高順位は5位で、いわゆる中堅の順位です。

2010年に16位でJ2に一度降格しています。

2008年は、少ない人件費で効果的な結果を出す事ができました。

しかし、それ以外の年ではなかなかチームを機能させる事ができていません。(<勝>が1未満)





川崎フロンターレ

川崎フロンターレの年度別成績一覧 (Wikipedia)

人件費の単位は100万円です。
川崎は、2005年にJ1に昇格しました。以降、J1で2位が3回など、惜しい所まで行っていますが、まだ国内タイトルはありません。

順位(勝点)的に2011年が一つの底で、それ以外はJ1で10位以内を維持し、上位に顔を出しています。

<勝>の年変化を見ても、2011年が最低値で、その前後の2010年と2012年も1未満ですが、それ以外の年は1を超えています。

2012年4月より、風間監督が指揮をとっています。



FC東京と<人>の範囲が似ていますが、川崎がFC東京の上に分布しています。(知り合いの東京サポさん達には申し訳ないですが、事実なので…)


ジュビロ磐田

ジュビロ磐田の年度別成績一覧 (Wikipedia)

人件費の単位は100万円です。`#N/A’は、J2カテゴリーのためにデータが無い事を意味します。
2006年にはJ1で5位となった磐田ですが、この2006年から2014年までは苦しんでいます。(かつてJリーグを引っ張ったチームだけに、苦しんでいる印象です)

2008年には16位で入れ替え戦を経験し、2013年には17位でJ2降格となりました。

2010年には<勝>が1を超えましたが、それ以外の年では超えていません。

<人>自体はほぼ1前後なのですが、なかなかチームを機能させられません。





まとめ

最後に、今回紹介した4クラブの<人>と<勝>をまとめたグラフをお見せします。


やはり<勝>がいいのは川崎で、それ以外のクラブはなかなか1を超えられません。

大宮は、<人>が高い時に<勝>が低い傾向を見せています。

一方、他のクラブは人件費の変動がそれほど大きくないせいか、そういった傾向が見られません。

これは何故なんでしょう?



次回は、清水、C大阪、広島、神戸の相対的なコストパフォーマンス(<勝>)の年変化を紹介します。



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