2016年7月12日火曜日

【小ネタ】 J1クラブのコストパフォーマンス、新潟、仙台、甲府

この記事では、人件費が5億円から10億円前後のクラブ、ベガルタ仙台、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府について、J1での相対的なコストパフォーマンスの年変化を見ます。

勝点と人件費の比(単位はポイント/1億円)が単なるコストパフォーマンスなら、勝点と人件費の比を年平均値で割った値(<勝>)が、他のクラブに対する相対的なコストパフォーマンスになります。

各クラブの投入する人件費は毎年変動し、全クラブの人件費の総額も変動するため、この相対的なコストパフォーマンスを比較する方が公正です。

今回のクラブを簡単に紹介すると、定着?仙台、結果を出し続けている新潟、苦境の甲府、です。



ベガルタ仙台

ベガルタ仙台の年度別成績一覧
人件費の単位は100万円です。`#N/A’は、J2カテゴリーのためにデータが無い事を意味します。
ベガルタ仙台は2010年からJ1で戦っています。

2011年と2012年、東日本大震災の年とその翌年は、驚異的な奮闘(<勝>が14.5以上)で、4位と2位になりました。

これらの年以外でも、1以上の<勝>を出しています。

2013年と2014年に限った話ですが、人件費が11億円規模で、1以上の<勝>なら、降格圏を免れるようです。



サンプルが少ないので、高い<人>で低い<勝>になるかどうかは不明です。


アルビレックス新潟

アルビレックス新潟の年度別成績一覧
人件費の単位は100万円です。
アルビレックス新潟は凄いクラブです。

2006年を除いた8年間で、<勝>が常に1.15以上、2009年と2010年には1.5以上を記録しています。

こういった、低予算で人件費以上の結果を出しているチームの選手達は、当然ながら移籍して行きます。(名古屋では川又選手と矢野選手がいます。)

にも関わらず、毎年のように人件費以上の能力を発揮し続けるという事は、育成、スカウト、白い粉がよっぽど優秀なのでしょう。

<勝>が1.5以上を記録した2009年と2010年でさえ、順位が8位と9位なのは、資金の少ない悲しさに思えます。

ただ、実績・経験が浅く(年俸が低く)、伸びしろの多い選手達を集めて機能させられれば、これほどのコストパフォーマンスも可能なのでしょう。集めて機能させられれば






ヴァンフォーレ甲府

ヴァンフォーレ甲府の年度別成績一覧
人件費の単位は100万円です。`#N/A’は、J2カテゴリーのためにデータが無い事を意味します。
2006年の甲府の<勝>は2.09、とんでもない値です。

なのに、結果が15位というのは悲しい話です。

J2に降格した2007年と2011年も、<勝>は1.16と1.32、人件費以上の戦力を発揮したにも関わらず、降格しなければなりませんでした。

新潟はJ1に残留し続けていますが、あちらの人件費は10億円前後、一方の甲府は8億円未満です。

J1残留のための甲府のハードルは、仙台や新潟のそれよりも一層高くなっています。






まとめ



甲府がJ1に残留し続けるためには、おそらく仙台と新潟の延長上になければならないはずで、そうすると、<勝>は1.5前後が必要という事になります。

甲府の場合、<勝>が1に近づくと、容赦なく降格という事になります。

どのクラブ・サポーターも、上位進出、J1残留が望みだとは思いますが、毎年他チーム以上にチームを機能させる事(<勝>が1以上)は、とてつもなく大変な事だと思います。

ましてや、毎年他のクラブの1.5倍のコストパフォーマンスを要求されるとしたら、結構ブラックな気がします…。

これらのクラブのフロントとスタッフ陣は、選手達ももちろんなんですが、とても有能、良い仕事をし続けている、と思います。(それでは話が終わらない、厳しい競争社会なのですが)




色々疑問は残っていますが、J1クラブの相対的なコストパフォーマンスについての報告はこれで終わりです。

「ウチのクラブはどうなってんだヽ(`Д´#)ノ」と言う方々もおられるでしょうが、今回の解析(グラフ作成)は、2006年から2014年までにJ1に5シーズン在籍したクラブを対象にしました。

なので、札幌、山形、千葉、東京V、横浜FC、湘南、京都、徳島、大分、福岡、鳥栖は入っていません。

以下は、各年の平均人件費と勝点と人件費の比の平均値の表です。参考にしてください。

人件費の単位は100万円です。勝/人の単位は、ポイント/1億円です。




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