二重定義
J1のスプリントの定義は、一体何なんでしょうか?- 単に「最高速度が24km/h以上」なのでしょうか?
- それとも「24km/h以上が1秒以上続く」なのでしょうか?
昨日のヴァンフォーレ甲府対名古屋グランパス戦を見ていた際、スカパーの解説の方が「スプリントは、24km/h以上で1秒以上続く事云々。24km/h以上で1秒以上走ると6.7m云々。」と説明されていました。「おや?」と。スプリント回数などの数字はData Stadium社提供のはずですが、これまで目にしてきた定義(24km/h以上)と違います。
スカパーが独自にデータ算出している事を考え、スカパーのJリーグオンデマンドアプリの数字を調べました。甲府対名古屋のスプリント回数と走行距離をチェックしたところ、jleague.jpの数字と完全に一致しました。従って、データの出処はData Stadium社であり、スカパーで紹介された定義は、他と一致しなければならないのですが…。
単に24km/h以上
「Jリーグ スプリント 定義 24km」でGOOGLE検索すると、いくつかのページが出てきます。例えば、「【小ネタ】 トラッキングデータの計測方法」で紹介したSportsnaviの記事、「Jリーグが取り入れた軍事技術 革命の鍵、トラッキングシステムとは!?」の中では、
“編注:Jリーグにおけるスプリントの定義は、時速24キロメートル以上の走り。”となっています。Data Stadium社のニュースリリース、「Jリーグ「LIVEトラッキング」サービス開始。」の記事でも、
“スプリント回数(時速24km/h以上)”となっています。
24km/h以上が1秒以上
一方、「Jリーグ スプリント 24km 1秒」で検索してみると、「スプリントの定義は、24km/h以上で1秒以上走る事」としているページもいくつか出てきます。例えば、スポーツポータルサイト ウェブリーグさんの、2015年5月のトラッキングサービスを紹介する記事、「Jリーグ、トラッキングデータ配信サービス(1)」で、既にそのように言及しています。トラッキングデータが紹介された当時から、定義の混乱は始まっていたようです。
「1秒以上」は大事か
私は、「1秒」という時間の閾値自体はあってもなくてもかまわないと考えています。スプリントの定義の問題は、トラッキングデータから算出された速度変化の折れ線グラフのなかで、どの程度の大きさの山をスプリントとみなすか、です。人間が走る時、加速して、最高速に達し、そして減速して止まります。何かにぶつかったり、自分で踏ん張ったりて急停止する事はありますが、加速には一定の限界があります。ランニングより速い24km/hに達するまでの加速動作だけでも、おそらくスプリントというには十分な、つまりある程度の規模の速度変化の山が選択されます。
「1秒」という閾値は、24km/hという定義と同じように、速度の山の規模を決定します。この速度の山の頂上付近(24km/h以上)での1秒は、「ある程度の距離を走った」という事実を強調するための「微調整」です。
正直、スプリントの定義として加速動作に重きを置くか、走った距離(の定義)に重きを置くかは、結果の出ない(実りの少ない)議論でしょう。
「1秒」についてはどちらでもいいとは思いますが、jleague.jpで、正しい定義を明示する必要があります。スカパーと他のメディアでの定義が異なる状況は、観客・ファンとしては気持ち悪いです。Data Stadium社さん、情報伝達よろしく頼みます。
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