サッカーをある程度長く見ていれば、ヒートマップの意味する所はなんとなく分かるでしょうが、原理を丁寧に説明しているページが無かったので、書いておきます。
(小学生中学生が対象かな?言葉遣いが小難しいかな?)
「サッカー ヒートマップとは」GOOGLE検索結果
「サッカー ヒートマップとは」GOOGLE画像検索結果
6月18日現在の検索結果では、「サッカーのヒートマップをQGISで作ってみる」(Qiita)という記事が、ある試合のトラッキングデータの入手からフリーのソフトウェアを使ったヒートマップ作成までをレポートしてます。
他に良さそうな説明記事はちょっとないかな?
ヒートマップとは?
簡単に説明すると、「選手やボールがその領域に居た時間を示す図」です。
サッカーに限らず他分野でも使われています。
サイト解析の場合、ヒートマップの対象は各ページが閲覧者に読まれている(滞在されている)時間となりますが、サッカーでは各領域での滞在時間になります。
上記の画像検索結果で多くの図を見ることができます。
この図がどうやって作られるのか、簡単に説明します。
ヒートマップ作成
まず、ボールの観測例を示します。(選手の場合も同じです)
図1、ボールが観測された位置(黒丸)と軌道。 |
一定の時間間隔でボールを観測すると、フィールド上の色々な地点での座標(x,y)が得られます。
縦軸と横軸の矢印は、サイド方向とゴール方向だと思って下さい。
このような複数のボールの観測点に対して、ヒートマップの升目となる、観測点をカウントする領域を設定します。
図2、観測点をカウントする領域(緑枠)を設定。 |
次に、各領域内で観測点がいくつあるかをカウントします。
図3、領域内での観測点数。 |
あとは、このカウント数に従って色付けをすれば完成です。
図4、色付け。 |
図5、完成。 |
今回は非常に粗い例をお見せしましたが、現実のトラッキング観測では、ボールと選手達の位置を観測する時間間隔は0.1秒以下で、ボールと選手たちの位置(データ)は滑らかに変化します。
そのようなデータを使って、さらにカウントする領域を適切に設定すれば、上記の画像検索結果で見られる図ができます。
(一部、非常になめらかに変化している図があるが、それらの中には、色付けだけを細かくやってる図もあると思われる。
領域を細かく設定してカウントしても顕著な変化が見えず、計算資源の無駄だったりするから、ある程度はしゃーない。)
前回の記事(【小ネタ】ワールドカップの公開データ紹介)で紹介した、ロシアワールドカップで公開されているヒートマップは、色付けではなく、各領域を塗りつぶしています。
以下の例では、塗りつぶす面積をカウント数に比例させました。
カウント1は領域の面積の1/3を塗りつぶし、カウント2は2/3を塗りつぶし、カウント3は全面積を塗りつぶしました。
図6、カウント数に応じて領域を塗りつぶす。 |
う~んという感じですが、とりあえずこうなります。
もう一つ、%表示のヒートマップも図を出しておきます。(20180621追加)
ロシアワールドカップで公開されている、ボールについてのヒートマップはこの表示です。
図7、%表示。 |
総観測点数が8で、1/8=12.5%を四捨五入して13%と表示しています。
このため、合計すると100%を超えます。
ヒートマップを作る前提である、選手達とボールの位置をデータ化する方法については、簡易な説明ですが、「【小ネタ】 トラッキングデータの計測方法」を御覧下さい。
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[記事一覧]トラッキングデータとスプリント回数について
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