2016年6月18日土曜日

【小ネタ】 勝ったのは誰だ? 2014年 J1

導入

どこのチームが経営的に良い結果を残せたのか?というお話です。

サッカークラブにとっては、リーグ順位やカップ戦のタイトルが成功を計る指標になります。ただ、クラブ間には経営規模の格差があり、競争の開始点である初期戦力はあきらかに異なります。

この記事では、経営規模の格差を考慮し、経営の観点も加味して、どこのクラブがリーグ戦で成功したのかを評価します。この成功を、営業費用と営業損益の比勝点と人件費の比によって定量的に表現します。





いまさら2014年?と思われる方もいるでしょうが、2014年の結果を分析した理由は、データが簡単に入手出来たからです(Jクラブ個別経営情報開示資料(平成26年度)、jleague.jp)。このページには、2014年度の各クラブの決算内容が記載されています。

実は、各クラブによって決算時期が違ったりして、ミスリードになりそうな要素もあるのですが、そんな事を言っていたら永久に比較できないので、とりあえず無視です。

こういったJリーグの経営効率についての記事はすでにいくつかありますので、参考にした記事を挙げておきます。

J1(2013シーズン)の18チームの経営指標ランキング (会社生活)
【小ネタ】勝ち点1あたりの金額から考察する費用対効果の良いチームは? (ドメサカブログ)
Jリーグにおける予算と順位の関係 (その1からその3まで、ハムくん)


分析結果

では、分析結果のグラフを並べていきます。エクセル初心者なので、この程度のグラフが限界です。まずは、2014年の最終順位から。




順位を上手にグラフ表示できなかったので、下に表を載せました。このクラブの並びは、jleague.jpで見られる、北から南、東から西への順です。

勝点のグラフはこうです。



次に人件費(100万円単位)のグラフです。


浦和、柏、名古屋が2000億円程度で、上限になります。甲府と徳島が1000億円未満で、これが下限になります。

勝点を人件費で割ったグラフです。


このグラフでは、横軸は順位です。5位の鳥栖と13位の甲府は、1億円あたりの獲得勝点が5ポイント以上と、人件費に対して高い成功を収めている事が分かります。次が新潟の4.1になります。

この勝点/人件費の平均値は3.2(ポイント/1億円)です。多くのクラブがこの値に近いを見せるなか、降格圏のクラブの値は2.0以下となっています。

各クラブの数値の詳細については、こちらの表(勝点/人件費と、営業損益/営業費用をまとめた表)を御覧下さい。


次に、営業費用に対する営業損益の割合のグラフを載せます。その年の営業活動の成功具合を示す指標です。


マイナスが損、プラスが利益です。徳島が大幅な利益、神戸と鳥栖が大幅な損になっています。(この神戸の損は、特別利益22おく5000まんえんによってかいしょうサレマシタ。)

そして最終的に得た分布図が、次です。


この図の上にあるクラブほど、人件費あたりの勝点が高い、つまりチームがうまく機能した事を意味しています。そして、右にあるクラブは、多くの利益を出す事ができた、この年の経営がうまくいった事を意味します。

このシーズンは最下位に沈んだ徳島、残念ながらチームは機能しませんでしたが、経営的には万々歳でした。逆に鳥栖は、チームは最高に機能しましたが、経営的には非常に苦しい1年となってしまいました。非常に対照的な結果を残した2チームでした。

甲府は13位で、順位的にはふるってないように見えますが、人件費あたりの勝点は最上位で、経営的にほぼプラスマイナスゼロでした。甲府もこの年の勝ち組と言っていいと思います。


言い訳色々

会社生活さんの「J1(2013シーズン)の18チームの経営指標ランキング」では、リーグ戦の順位と人件費の順位の差をとって、コストパフォーマンスの指標としています。

しかし、上の人件費のグラフを見て分かるように、人件費最上位の柏、鹿島、名古屋にはそれほど大きな差がある訳ではありません。そこで勝点を人件費で割って、コストパフォーマンスの指標としました。

ドメサカブログさんの「【小ネタ】勝ち点1あたりの金額から考察する費用対効果の良いチームは?」では、人件費/勝点の指標が採用されていいますが、図を作った後だったので、勝点/人件費のままでいきました。

最後の図の結果ですが、ほんとうは、勝点/人件費の平均値3.2と損益と費用の比が0の点を原点として、左上から右下を通過する直線を計算して、この直線の右側は経営的に成功、左側は失敗、みたいな統計的な分析をするべきだったと思いますが、そこまではちょっと無理でした。




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