導入
どこのチームが経営的に良い結果を残せたのか?というお話です。サッカークラブにとっては、リーグ順位やカップ戦のタイトルが成功を計る指標になります。ただ、クラブ間には経営規模の格差があり、競争の開始点である初期戦力はあきらかに異なります。
この記事では、経営規模の格差を考慮し、経営の観点も加味して、どこのクラブがリーグ戦で成功したのかを評価します。この成功を、営業費用と営業損益の比、勝点と人件費の比によって定量的に表現します。
いまさら2014年?と思われる方もいるでしょうが、2014年の結果を分析した理由は、データが簡単に入手出来たからです(Jクラブ個別経営情報開示資料(平成26年度)、jleague.jp)。このページには、2014年度の各クラブの決算内容が記載されています。
実は、各クラブによって決算時期が違ったりして、ミスリードになりそうな要素もあるのですが、そんな事を言っていたら永久に比較できないので、とりあえず無視です。
こういったJリーグの経営効率についての記事はすでにいくつかありますので、参考にした記事を挙げておきます。
・J1(2013シーズン)の18チームの経営指標ランキング (会社生活)
・【小ネタ】勝ち点1あたりの金額から考察する費用対効果の良いチームは? (ドメサカブログ)
・Jリーグにおける予算と順位の関係 (その1からその3まで、ハムくん)
分析結果
では、分析結果のグラフを並べていきます。エクセル初心者なので、この程度のグラフが限界です。まずは、2014年の最終順位から。順位を上手にグラフ表示できなかったので、下に表を載せました。このクラブの並びは、jleague.jpで見られる、北から南、東から西への順です。
勝点のグラフはこうです。
次に人件費(100万円単位)のグラフです。
勝点を人件費で割ったグラフです。
この勝点/人件費の平均値は3.2(ポイント/1億円)です。多くのクラブがこの値に近いを見せるなか、降格圏のクラブの値は2.0以下となっています。
各クラブの数値の詳細については、こちらの表(勝点/人件費と、営業損益/営業費用をまとめた表)を御覧下さい。
次に、営業費用に対する営業損益の割合のグラフを載せます。その年の営業活動の成功具合を示す指標です。
マイナスが損、プラスが利益です。徳島が大幅な利益、神戸と鳥栖が大幅な損になっています。(この神戸の損は、特別利益22おく5000まんえんによってかいしょうサレマシタ。)
そして最終的に得た分布図が、次です。
この図の上にあるクラブほど、人件費あたりの勝点が高い、つまりチームがうまく機能した事を意味しています。そして、右にあるクラブは、多くの利益を出す事ができた、この年の経営がうまくいった事を意味します。
このシーズンは最下位に沈んだ徳島、残念ながらチームは機能しませんでしたが、経営的には万々歳でした。逆に鳥栖は、チームは最高に機能しましたが、経営的には非常に苦しい1年となってしまいました。非常に対照的な結果を残した2チームでした。
甲府は13位で、順位的にはふるってないように見えますが、人件費あたりの勝点は最上位で、経営的にほぼプラスマイナスゼロでした。甲府もこの年の勝ち組と言っていいと思います。
言い訳色々
会社生活さんの「J1(2013シーズン)の18チームの経営指標ランキング」では、リーグ戦の順位と人件費の順位の差をとって、コストパフォーマンスの指標としています。しかし、上の人件費のグラフを見て分かるように、人件費最上位の柏、鹿島、名古屋にはそれほど大きな差がある訳ではありません。そこで勝点を人件費で割って、コストパフォーマンスの指標としました。
ドメサカブログさんの「【小ネタ】勝ち点1あたりの金額から考察する費用対効果の良いチームは?」では、人件費/勝点の指標が採用されていいますが、図を作った後だったので、勝点/人件費のままでいきました。
最後の図の結果ですが、ほんとうは、勝点/人件費の平均値3.2と損益と費用の比が0の点を原点として、左上から右下を通過する直線を計算して、この直線の右側は経営的に成功、左側は失敗、みたいな統計的な分析をするべきだったと思いますが、そこまではちょっと無理でした。
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