SOCCER + MATHEMATICS = SOCCERMATICS と名付けられたこの本ですが、著者が数学者という事もあり、読む人を選びます。
以下、「読者対象」と「内容」を紹介します。
読者対象
読者対象をグループ分けします。
ポイントは、この本の内容が数学を使ったサッカーのトピック紹介だという事です。
サッカーファン全般向けというよりは、数字好き・アナリスト寄りと言えるでしょう。
第一にお勧めするのは、サッカーと数学が好きな大学生(大学院生?)以上のグループです。
大学院生以上でデータ解析を経験していれば、理解も進むでしょう。
トピックが幅広くて楽しめます。
これどうなの?みたいな疑問も湧くでしょう。
第二にお勧めするのは、普段からスタッツデータをよく見ている、数字好きなサッカーファン層です。
数学者という専門家がスタッツデータをどう扱って、何を読み取ろうとしているのかが書かれています。
見慣れたスタッツマップに加えて、訳の分からないグラフと表が、好奇心を刺激するでしょう。
なお、ブックメーカーに挑むのは心惹かれますが、ほどほどにしましょう。
数字アレルギーの人にはお勧めしませんし、中学生以下にもお勧めしません。
高校生はどうかな?そんなにお勧めは出来ない気がします。
よく分からないけどちょっと興味あるなぁ(ドキドキ)という人には是非読んで欲しいですが、アマゾンでポチるのではなく、まずは本屋でのパラ読みをお勧めします。
内容
サッカーを数学で解釈しようとしており、数字が苦でなければ興味惹かれる話がたくさんあります。
内容紹介をちょっとだけ。(私が上手く説明できないお話がいっぱいなので)
「数字嫌いな人にはお勧めしません」と書きましたが、それでも第6章と第8章はお勧めします。
第6章は、勝点3導入の話、そしてチームを引き分けよりも勝利に惹きつける勝点3の効果についてです。
「勝った場合の勝点の期待値がどうのこうの」と言われると嫌になるかもしれませんが、そのへんは読み飛ばしても…。
本書には書いていませんが、勝点2は100年近く続いた制度でした。(勝ち点#略史, Wikipedia)
この勝点3の導入はまさに革命だったと思います。
第8章は、チームがチームとして機能した場合のパフォーマンスに焦点を当てています。
「怠け者と働き者」の損得計算から出発し、チームパフォーマンスの定性的な説明、スター選手でさえチームプレーに徹した方が本人にとって得である事を数値的に表現しています。
最後のスター選手云々は、指導者がチーム内にいる上手な選手たちを説得するのに使って欲しい内容です。
本書の内容で物足りなさを感じる人は、巻末の注一覧に載っている参考文献をご自分で読み進めて下さい。
他の方々の書評については、こちらをどうぞ
「サッカーマティクス」を読んで(Lチカ開発ブログ)
書評 サッカーマティクス(shorebird)
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