ここに出てくる、ビデオ判定の運用経費の見積もりは「1億円以上」、ぱっと見「1億円」のインパクトが強いが、試合数を考えたらおかしくはない、という結論です。
J1の18チームによる、ホームアンドアウェーの全試合数は、306試合。
[(18-1)x2] x [18/2] = 306
(全節数)x(1節の試合数)=(全試合数)となります。
1年間の運用経費が1億円なら、1試合で33万円程度という見積もりです。
詳細は不明ですが、感覚的には10万円台になるのは、まぁそんなものかと。
・サッカーJリーグの審判になるには(Career Garden)
このサイトによると、J1の副審で1試合5万円との事です。(数字を鵜呑みにしてます)
審判一人追加は確定で、あとは補助員?やら機器の故障に対処する人間?やらが一人から複数人いると考えれば、人件費で10万円前後にはなるでしょう。(少ない見積もりかも)
あとは審判員が見る画像にかかる経費が良く分かりません。
DAZNから画像を流してもらうとしても、有料?それだけで足りる?
DAZNがJリーグの審判能力の向上に好意的だとしても、相場がよく分かりませんえん。
不足分の視野を固定カメラで補うならメンテナンス費用(というより壊れた際の新品購入費用の分割分)がかかると思われます。
(屋外だし、ボール飛んでくるし。)
他に費用を考えると、まぁ30万円前後はそれほど大きく外していない数字だと思います。
大事な事は、1試合30万円前後のお金をかけて、試合結果を左右する決定的なプレーに対する観客の不満が解消できるという事です。
J1のチケット収入のみの見積もりは、1試合10000人の観客、1人3000円のチケットと考えて、3千万円となります。(多分J1の最低水準)
1試合30万円の運用経費なら、この収入の1%にあたります。
この経費で、試合結果に一定の保証(誤審は多分0にはならない)がついて、観客の満足度が増すというのならやる価値はあるでしょう。
これが10%以上なら、導入は困難ですよね。
ちょっと長い蛇足です。
それにしても日本の審判員は、不遇というか、給料が安いと思います。
現在の名古屋はJ2ですが、J2で1試合ごとの判断基準がばらつく印象ななのも、納得せざるをえません。
上記の記事によると、1級審判だと、J2の1試合で、主審が6万円、副審が3万円との事です。
J2の42試合全てに主審として出場しても、収入は250万円弱です。(副審ならさらに半額です)
「5000人前後の観客の熱狂をコントロールする仕事が時給3万円」と書くと、時給としては高いように見えますが、5000人前後の人間にもろに影響を与えるようなプレッシャーの高い作業に対する対価としては安いと思います。
なにより時給を得られる機会が、週に2時間だけ(多くても4時間)となれば、「稼ぎの少ない特殊技能のいる作業」という印象です。
思いっきり個人の印象ですが、J2の副審の収入(126万円=42試合×3万円)は、世間の認識としては「やりがいのあるアルバイト」レベルだと思います。
(念のため、J2の副審の方々がアルバイト気分でやってるという意味ではありませんよ!)
それで週末の2時間だけとはいえ、働きが悪ければ観客からひどいヤジを受けるとなれば、なかなかに苦しい職場だと思います(選手たちはともかく、審判の皆さんは観客から褒められる機会がほぼ無いですよね)。
どうでしょう?みなさんなら時給1.5~3万円の時給で、「こういう環境」の仕事、やりたいと思いますか?
どの程度の技能を要求すべきだと思いますか?
ちなみにJ1だと金額はJ2の2倍で、平均観客数は2万人程度なのでJ2の4倍でしょうか。
なお浦和の平均観客数は3万5千人程度です。(罰ゲームかな?)
なので、上記の記事の最後には、
”1級審判員のほとんどは、本業をもっていたり、アルバイトをしています。「PR」にならなければ、審判としての収入だけで生活していくことは難しいです。”と書いてある訳ですが、審判技能を保証して欲しいという観客の欲求や、選手たちの人生がかかっている事を考えたら、J2、J3でも世間の平均年収前後(主審なら+α)くらいの収入があって欲しいと思います。
何か根拠のある数字ではありませんが。
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