2017年1月15日日曜日

【論文紹介】 近年のEPLの「走り」の進化について (2006-07シーズンから2012-13シーズン)

紹介する論文は、C. Barnesらによる「The Evolution of Physical and Technical Performance Parameters in the English Premier League (International Journal of Sports Medicine)」です。

この論文の主要な結論は、2006-07シーズンから2012-13シーズンの7シーズンに渡る、the English Premier League (EPL) の「走り」の定量的な変化です。概要に載っている結論を紹介します。




本論文では、各種「走り」の定義が6段階に分かれています。


  • standing (0~0.6 km/h )
  • walking (0.7~7.1 km/h )
  • jogging (7.2~14.3 km/h )
  • running (14.4~19.7 km/h )
  • high-speed running (19.8~25.1 km/h )
  • sprinting ( > 25.1 km/h )


そしてさらに、high-speed running と sprinting を合わせた19.8km/h以上の走りを、high-intensity running (HIR)としています。

以下が、定量的な結論(90分間の選手一人あたりの各数値)をまとめた表です。


爆発的スプリントとは、high-speed running を短時間で超えて始まるスプリントの事です。

2006-07シーズンに比べて、2012-13シーズンの数値の多くが増加している事が分かります。特にスプリント回数は倍近くになっています。そして、スプリント1回の平均距離のみが減少しています。これらの数値は、年々プレミアリーグのサッカーがダイナミックになっている事の証明です。

表にまとめていない事を書くと、90分間の走行距離については2012-13シーズンの方が2%長くなっています。またパスについては、ロングパスの本数はほとんど変わらず、ショートとミドルレンジのパスが増加しています。

データの事を書いておくと、これらの90分間の選手一人あたりの数値はトラッキングデータから得られたものです。2006-07シーズンから2012-13シーズンの7シーズン、90分間出場した選手達について、同一人物の重複有りで各年に2100人のサンプル、計14700サンプルを解析しました。実際にはもっと多くのサンプルが得られたのですが、サンプルの偏りが出ないように、シーズン序盤中盤終盤、ホーム・アンド・アウェー、ポジション、チームの最終順位などの偏りを最小化するように調整されています。

概要では、分かりやすいように、2006-07シーズンと2012-13シーズンの数値の比較のみを載せていますが、本文では、各年の各数値の平均値などのグラフ・表が載っています。



本論文はAtom Scottさんに教えて頂きました。ありがとうございます。

上記のリンクからは購入しないと本文が読めませんが、GOOGLE検索するとResearchGate(研究者用SNS)から読めるようです。


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