2016年4月29日金曜日

【J1】 2016年、11試合を終えた名古屋グランパスの現状

公式戦11試合を終えた名古屋グランパスの分析です。

名古屋グランパス公式ホームページ


戦績

  • 公式戦11試合を終えた名古屋の戦績は、3勝2分け6敗です。
  • J1では、3勝1分け3敗、勝ち点10の11位、11得点11失点の得失点差-1です。
  • ナビスコカップのグループステージでは、1分け3敗の勝ち点1でグループ最下位、1得点5失点の得失点差-4です。


3点差以上で大勝あるいは大敗した試合はありません。ナビスコ杯で鹿島相手に2点差で負けたのが、最大点差です。他は全て1点差以内での勝敗です。

これまでの試合の先制点と勝敗の関係を調べました。以下の表です。

2016年、名古屋グランパスの勝敗と先制点の有無。`yg'はヤマザキナビスコカップのグループステージ。勝敗の`w'は勝利、`d'は引き分け、`l'は敗北です。先制点の`y’は名古屋グランパスの先制点、`n'は相手チームの先制点、0は両チーム無得点の意味。J1第7節のアビスパ福岡戦は延期。
7試合で先制点をとり、3試合で先制点をとられ、1試合で無得点です。先制点をとられた3試合は全て負けています。名古屋は7試合で先制点をとれていますが、内容は3勝1分け3敗です。名古屋のこれまでの傾向は、「先制点をとられたら負ける。先制点をとっても勝敗は五分」という事になります。

直近の5試合に関しては、J1第5節からの3試合で先制点をとりながら逆転負けを喫していましたが、スタメンを大幅に入れ替えたナビスコ杯グループステージの第4節で引き分け、J1第8節では先制点をとって勝利しました。次回の浦和戦にもなんとか勝利して勢いをつなげたいです。

選手

得点者は、5得点がシモビッチ選手、3得点が永井選手、1得点が松田選手、矢野選手、野田選手、竹内選手です。

名古屋はわりとスタメンを固定しています。ナビスコ杯グループステージの第1節と第4節では、スタメンを大幅に入れ替えました。出場試合数(途中交代含む)は、10試合が永井選手、古林選手、竹内選手、9試合が楢崎選手、田口選手、シモビッチ選手、矢野選手、8試合が矢田選手、小川選手、安田選手となっています。

戦術

jleague.jpのスタッツによると、名古屋の1試合平均の走行距離は111.9kmで17位(J1の平均値は115.8km)、スプリント回数は179回の4位(J1の平均値は169回)です。そしてFootball LABの名古屋のページのパスの方向性を見ると、他のチーム(例えば浦和)よりも、前方へのパスの割合が多い事が分かります。またパスの本数は、1試合平均373本で、リーグ15位です。ボール支配率は44%で16位です。従って名古屋のスタイルは、守備からボールを奪って、すぐに相手ゴールを目指すカウンター志向のチームである事が分かります。

ただ、失点が多い事から、しっかりと自陣ゴール前で守備組織を整えてロングカウンターを狙うことは苦手です。そして前線からの組織的なプレスでボールを奪うスタイルでもありません。従って、この名古屋のカウンターは、中盤の守備を前提とした、ボール奪取からの速攻になります。

このチームの強さは、これまでの活躍から分かっているように、中盤の守備を作る田口選手とパートナー(イ・スンヒ選手か明神選手)によるダブルボランチであり、攻撃なら永井選手のスプリント、シモビッチ選手の長身がメインになります。

弱み?

逆に弱みは(チーム作りの最中なので仕方ありませんが)、自陣ゴール前での守備組織と、相手ゴール前での守備を崩す方法だと思います。(後者は異論ありだと思います)

3試合連続逆転負けの記憶は未だ鮮明で、守備が強くなって欲しいと心の底から思います。選手達の能力が低いわけでは無いと思います。前後左右の連携、ゴール前に入ってくる相手選手へのカバーでしょうか?それとも闘莉王選手のように(あるいは昔の磐田のドゥンガ選手のように)、気合を入れる選手が必要なのでしょうか?守備が強くなれば、自陣ゴール前からのロングカウンターも可能になり、ゴールの可能性が高くなります。

そして相手ゴール前での連携ですが、カウンターは失敗する事もあるので、セカンド・チャンスで相手の守備を崩す場面が出てきます。この相手守備陣を連携で崩す事が、今の名古屋は苦手なように思います。スタメンが大幅に入れ替わったナビスコ杯の第4節では、ゴール前での相手の守備に対し、前線の選手達が動き出して、連携して崩そうとする場面もありましたが、いつものスタメン組の場合はそれほど印象に残っていません。前節の試合では田口選手がワン・ツーを何度か試みていました。

セカンドチャンスをじっくり攻めるか、強引にでもシュートで早々に終えるかはもちろんチームの方針次第ですが、壁パスなどの連携が少しでも増えれば、名古屋の攻撃はもっと面白くなると思います。

明日の浦和戦が面白くなりますように(お祈り)。



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